チベット・コード 第二章 ダワヌツォの智者 11

方新の心の中にある疑念を見抜いた徳仁はそれに解説をした。 「我々の菩提祖心経に、グーバ族で墨に近づく者は黒くなり、大悪魔である賛魔の奴隷となり、吉祥天母に懲らしめられ、悪魔城を守らせられるとある。伝説ではあるが、その目的は世の人々を教化することにある。だがグーバ族の真の身分は四方廟の守護者であり、最後の一つ極南廟を見守る者だ。村の祭祀や儀礼は代々受け継がれており、彼らは唯一の南方聖廟への入口を知る者たちなのだ。だが教義は厳しく、いかなる者が南方聖廟に近づくことを禁じておる。そしてその不動明王咒が廟の前の守護神獣の体の上に刻まれている」

方新が聞いた。

「ですが、本当に四方廟は存在するのですか?私の知るところでは、四方廟のそれぞれの位置関係はきれいなシンメトリーにはなっておらず、建てられた年代もまちまちで、これらを一つのものとしてまとめて考えるのは難しいと思います。」

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