防犯アニメに見る中国人の太極拳観-闘う呉公儀

最近、軽軌鉄道に乗って車内でのテレビ放送を見ていたら防犯を呼びかける番組をやっていた。アニメなので面白くて分りやすかった。スリへの対処法から強盗への対処法まで詳しく説明されている。気になったのはちょびヒゲを生やした社長風の男がATM(現金自動支払い機)で大金を引き出して帰る際、ボディーガードの男が心配そうな顔のチョビヒゲ社長に向い
 
大丈夫、私は30年も太極拳を練習しているから
 
と言うシーンがあったこと。そしてその太極拳遣いはやって来た暴漢の襲撃を退ける。
普通、我々日本人の感覚では太極拳は健康法にしか過ぎないし、上海に長年住んでいる私にとってもそれは同じ。けどこういう公共の番組でこういうセリフが使われるということは、中国人にとっては太極拳はやはり武術なのだろう。太極拳と一口に言っても陳式や楊式、呉式、孫派など多くの門派があり、この中で陳式は河南省温県一帯で昔からやられており実戦武術としても有名でスピードも速い。一般に広くやられているのは楊式でこれは終始一貫ゆっくりした動作を練習する。以前は太極拳と言えばほとんどがこの楊式を指した。だが最近、陳式をやる人が増えているような気がする。虹口公園の入り口付近でやってるのはほとんどが陳式のようだ。呉式は香港で非常に普及している。それは呉公儀がそれまで香港の人気武術だった白鶴拳の陳克夫と互角以上の試合をしたからだ。そういえばマンガ島耕作の上海篇で、バーで口論する日本人を一瞬にして眠らせる武術の名人も太極拳つかいだった。とりとめもない文章になってしまった。
 
動画は香港での呉式太極拳の呉公儀と西蔵白鶴拳の陳克夫の試合です
 
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