張居正講評「論語」(4)

 原文 有子曰:其為人也孝弟、而好犯上者、鮮矣。不好犯上而好作乱者、未之有也。

 今釈 有子が言った「ある人の人柄が親に孝行で、兄弟を敬愛するような人なのに、上を尊ばない、そのような人はとても少ない。上を尊んでしかも争いを好むような人はいままで存在したことがない」

 張居正講評 有子は孔子の弟子、姓は有、名前は若。父母によくつくすことを孝という。兄によくつくすことを弟(てい)という。鮮は少ない。作乱は逆らい争うこと。

 有子が言った「天下の人で父母や兄のいない人はいない。孝や弟(てい)という良心がない人もいない。人はただ孝や弟ができなければその心は和やかではなく、従順でもなく、子供の頃は上に逆らい、成長してからは社会を乱すようになり、どこまでも増長するようになるのだ。もし人が父母に孝ができ、子供としての道にかなっており、兄に弟であれば、老幼の道にかなっており、その心は和やかで柔順で、何をやっても自然で礼に合っており、もしこの人が行って上に逆らうとしたら、こんなことは絶対に少ないのだ」そもそも上に逆らうという行為は、逆らうという行為の中でも小さなもので、これすら敢えてやらない者が逆に、世の中を乱し争うような事を好んでやるというようなことがあるわけがない。

 

 

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